効果抜群?トイレ掃除をしたら昇格した話し(前編)
「トイレ掃除をしたらバイトリーダーに昇格した」という話し
私は大学時代に個別指導の塾でアルバイトをしていました。
それなりに大手の塾でしたが、教室自体の規模は小さく、塾長1名・契約社員1名・アルバイト数名で運営をしていました。
私はいわゆる難関大と言っていい大学に在籍していたため、ある程度学力には自信を持っていました。
しかし、そのアルバイト先では正直なかなかうまく授業が出来ていませんでした。
自分では理解しているのに、それをうまく伝えられない。
噛み砕いた説明が出来ない。
生徒は全然話を聞いてくれず、何より塾長から簡単なことで注意されてばかり。
そんな毎日が続き、講師を辞めてしまおうと考えることもありました。
偶然から始まった、トイレ掃除生活
そんなある日、バックオフィスや雑務を担当している女性の契約社員が、 急遽子供の熱で休んでしまったときがありました。
元々規模が小さい教室のため、1人が欠勤するとインパクトが大きいものでした。
塾長や他のアルバイトで名簿更新やPC機器のセットアップといった雑務を分担してこなしていく中、塾長が私にこんなことを言ってきました。
「あー、〇〇くん。悪いんだけどそれ終わったらトイレ掃除してくれない?」
最初それを聞いたとき、正直私は「面倒くさい」以外の感情がありませんでした。
自分は講師として生徒を指導するために採用されているわけです。
しかも掃除する場所はいろいろある中で、よりによってトイレ掃除かと。
でも、雇用契約書に「その他教室運営に関する雑務」とかって書いてあったし。
何より塾長に逆らうことは出来ないよなあ。
そんな気持ちで嫌々ながらもビニール手袋とブラシを持ってトイレへと向かいました。
トイレ掃除で、認められた
その日はトイレ掃除以外は特に普段と変わりなく数コマの授業を終え、退勤時間になるとさっさと帰ろうとしていました。
帰り際、塾長が私を呼び止めました。
「いやー、もう退勤時間なんだから。また週末の空きコマに入ってみたいな話し?」
そんなことを考えていた私に、塾長は意外な一言を口にします。
「〇〇くん、今日トイレピカピカだったよ。すごい丁寧にやってくれたんだね、ありがとう。」
え…?『ありがとう??』
最後に塾長に言われたのはいつだったか。
確か半年ぐらい前に香港のお土産を買ってきたときだったっけ。
もちろん本当は生徒の成績が伸びたとか・生徒数が増えたといった、講師としての実力が認められたことによる「褒め」が一番欲しいと思っていました。
自分では特に丁寧に掃除したつもりはありません。
それでも、塾長は確かに私のトイレ掃除の質を評価してくれました。
「トイレ掃除の」塾講師
その後、契約社員の方が出社しているときも、トイレ掃除は私の毎回の仕事の一つになりました。
最初は「塾長もおだてて面倒な仕事を押し付けたいだけでは?」なんて考えたりもしたのですが、どうやら生徒から保護者に同様の報告もあったという話も聞き、いつしか「トイレ掃除の〇〇さん」のように言われるようにもなっていました。
これをきっかけに、元々苦手だった本業の指導の方も段々とうまくいくようになり、最終的にはバイトリーダーとして講師全体を束ねる役割にまで成長するようになりました。
実際、「トイレ掃除」と「バイトリーダー」というのがどこまで厳密に結びついてるのかは私には分かりませんが、本件を通じて下記の2点を学ぶことが出来ました。
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